晩秋の日だまり猫のここちかな

猫はそれぞれ特等席を持っており、十分に晩秋の日差を楽しんでいる。そんな猫のような気分で、、、。さて、「ボスの命は短くて」、また一匹のボス猫が世を去った。正確に覚えている訳ではないが、一年ほど前だったろうか、首輪の鈴を鳴らしながら颯爽と登場した茶色の若い猫、すぐに頭角を現してボスに治まった。飼われるのが嫌で逃げてきたのか、やがて首輪の鈴も取れ毛並も薄汚れて来たが、風格は増すばかり、じろりとこちらを睨んでは、尻尾をピンと立てたまま、塀の上をゆっくりと歩いていくのだった。それが大怪我をして隣の玄関前で動けなくなっていたのが一週間ほど前のこと、隣の空いていた犬小屋で様子を見ていたが、水も飲まず餌も食べず、四日ほどで亡くなってしまった。猫はボスになると行動範囲も広がり、仕事も増える。勢力争いによる怪我とも輪禍とも分らないが、なんとも短いボスの座であったことだろう。そして、新たな二匹の、次のボスの座を賭けてだろう、我が家の夜の庭には争う声が聞こえている、、、。(2009年秋詠)

「晩秋の日だまり猫のここちかな」への2件のフィードバック

  1. 秋の日差しを浴びて猫の気分に成っているだけじゃなくて猫の動静についてもやけに詳しいじゃないですか。
    猫にお知り合いでも出来ましたか?

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