白梅の白より白きうす緑

最近河原に軽トラックで柴犬を連れてくる老人が居る。柴犬はまだ子犬のようだが、老人といい勝負が出来るぐらいの力はあり、吠えはしないがこちらに興味があるようなそぶりを見せる。「こんにちは」「そのいなあ(犬は)オンかメンか?」「メンですよ」「そんなら大丈夫じゃ、こりゃあオンじゃけえメンなら咬みゃあせん」そう言いながらすれ違った。その次に会うと、「こんにちは」「そのいなあオンかメンか?」と、全く同じ内容の話。三回目も同じ、どうやら老人の記憶の中に私と私の犬は全く残っていないらしい。四回目には早めに避けてしまった。車にはシルバーマークが付いていたが、なんだか寂しい、、、。(2013年春詠)

「白梅の白より白きうす緑」への2件のフィードバック

  1. 映画「博士の愛した数式」では主人公は新しい記憶が消えるという設定でした。
    まさにそんな感じのエピソードですね。
    オンかメンか?そういうとそんな言い方をしていました。久し振りに聞いた岡山弁です。

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