消え残る山の街灯梅雨深し

国道429号線の、なんでこんな所に(?)と思うような人里離れた山道に一か所だけある街灯です。小さな谷川沿いで両側から鬱蒼と茂った山が迫っています。雨に濡れた山道が照らされて、なかなかの風情、、、。(2016年夏詠)

ちよつと来ぬ間の更地実梅落つ

いつもの散歩コースから外れた住宅街、小さな平家があって、その家と同じぐらいの広さの庭はターシャテューダの庭のよう。それが久しぶりに通ると、家も庭も無い!残された梅に木から実が落ちている。それが昨年の事、今年はそこに新しい家が建っている。家は同じように平家だが、屋根にはソーラーパネル。庭はまだ無いが水やり用の水道にはしゃれた蛇口が付いている。ターシャテューダの庭にはなりそうにない、、、。(2016年夏詠)

蛇死してベルトのやうに道にある

一瞬ベルトが落ちていると思ったのですが、本革のベルトではなくて、本物の蛇がベルトを放り投げた時のような丸い形で死んでいるのでした。蛇が死んでいることは珍しくないのですが、とりあえずは観察、、、。(2016年夏詠)

明易し日毎に鳥の声かはり

時々、ホトトギスの声で目覚めます。遠くで鳴く声ですが、よく透ります。キジの声の時もあります。これは近い所、たぶん近所の畑か、吉井川の土手です。ピーヒョロピーヒョロうるさいのはトンビ、これは窓から見える近くの電柱です。起きろと言わんばかりの声で鳴きます、、、。(2016年夏詠)

夏至眩し田より空より朝日差し

夏至です。稲も育ち始めて田圃がだいぶ青くなって来ましたが、まだまだ水面のほうが広いです。ちょうど散歩の時間が朝日の時間と重なると、太陽が二つになって、眩しくてしょうがないのです、、、。(2016年夏詠)

番傘の干され社務所の梅雨晴間

番傘で良かった。社務所にビニール傘じゃあ句にならないところでした。昨年の倉敷阿智神社での句です。今年は傘を干すことが無いような晴間続きでしたが、そろそろ梅雨本番になりそうですね、、、。(2016年夏詠)

庭掃いて葬りし蟻の数知れず

外来種のヒアリ(火蟻)がニュースに出ていましたね。毒性の強い殺人蟻ということでした。恐ろしいですね。毒性は無くても家を食い荒らす白アリも嫌な蟻です。それに比べると可愛いもの、掲句の蟻は我が家の庭のただの小さな蟻です、、、。(2016年夏詠)