日付は昨年の3月24日、阿智神社での句。毎年彼岸を過ぎても寒い日はあるものです、、、。(2016年春詠)
投稿者: 牛二
春の色重ねて野菜スープ清む
春の色ってどんな色だろうと歳時記を見ると、「春の風色をいう」と書いてあります。「風色をいう」、これがまた難しい。掲句、あきさ亭で出て来た野菜スープ。春風を受けてほどよい色に育った野菜だろう、さらにそれに時間をかけた丁寧な仕事が加わり、澄んだ野菜スープになる。美味、、、。(2016年春詠)
春の鴨覚悟を決めて太りしか
太目の鴨を見つけた時の句です。なんだか、この地に残ろうと決めたのだから少しぐらい太っても、とでも言っているような、、、。(2016年春詠)
春落葉舞へば園児も保母も舞ふ
倉敷大原美術館の裏のほうにある幼稚園の風景です、、、。(2016年春詠)
それぞれの過去へ未来へ春の夢
過去へ未来へ自由に行ければこんな楽しい事はないのだろうが、これがなかなか難しい。それに楽しい夢は目覚めると忘れていることが多い。それどころか、最近は夢を見る事さえ減ってしまったような気がする。それはともかく、眠るには良い季節になった、、、。(2016年春詠)
幼子の泣いて母追ふ土手の春
どちらかと言うと年寄は多いけど子供はいないところです。たぶん近くのお家へ帰省してきたお母さんとその子供でしょう。前を行くお母さんも余裕綽々、泣いている子もなんとなく甘え声、春の午後ならではでしょうか、、、。(2016年春詠)
晩霜や鴉朝から田をつつき
暑さ寒さも彼岸まで、、、。(2016年春詠)
すぢかひに燕掠める路地の空
今年の初燕は3月13日の午後でした。例年より十日ぐらい早い勘定になります。聞き覚えのある声に見上げると、曇り空の高い所に確かに燕の形、、、。掲句は古い燕の句です。掲句のように路地を掠めるのはまだ先ですね、、、。(2003年春詠)
お早うと返して春の日が眩し
ずいぶん夜明が早くなりました。散歩に出る時間は冬と変わらないのですが、朝日が出ています。眩しいです。ちょうど向うから来る人の顔が見えないぐらいです、、、。(2016年春詠)
初花やますます小さく母座り
しばらくこのシリーズで、、、。これはもう少し先の句です。安易な表現ですがこの時の実感でした。その母も亡くなって、今年の秋には七回忌ですから、早いものですね、、、。(2003年春詠)