家一戸更地に変はり日脚伸ぶ

この地に住み着いた頃にはすでに空家だったから、かれこれ三十年以上は目にしてきたことになります。古い農家の大きなお屋敷です。とうとうその家の解体が始まり、なんだか寂しいような気がしていましたが、終わってみると残された大きな立木や広くなった跡地にに燦燦と日差が溢れて、、、。(2017年冬詠)

寒の川老婆こつそりごみ捨つる

もう何年も前から気付いていたのですが、毎朝大師堂にお参りをして、その足ですぐ傍を流れる用水路に持参したゴミを捨てて帰るお婆さんがいます。年齢は秋の季語になりますがまさに生身魂、風が吹けば飛びそうな風体のお婆さんです。何の意味があるのか、年寄で量もわずかなので見て見ぬふりをしていますが、、、。(2017年冬詠)