手を上げて挨拶をして風光る

しまった大失敗。7年目に入っていました(12日)。とは言え、7年目ともなると感動もうすく、いつまで続けられるかなあ、と言った感じです、、、。そこでまたまた好きな季語「風光る」の句です、、、。田圃一枚隔てた向うにこちらを見ている人がいる。どうやら知り合いらしい。声を出すには遠すぎるのでそちらを向いて手を上げる。向こうも手を上げる。ちょっと冷たい風が心地よい。ただそれだけの事でした、、、。(2017年春詠)

霞立つ中国山地十重二十重

晴れていると遠くの山並が全部同じような緑に見えてしまうのですが、霞がかかると近くの山は濃く、遠くに行くほど薄い色に見えます。普段同じ辺りにあると思っていた山がずいぶん遠くにあったりするのです、、、。(2017年春詠)

踏石に猫来て覗く縁の春

掲句、先日書いたかつての同僚邸、すぐに「シッツ!」と追い払う声、いつも来る野良猫との事。向こうも慣れたもので縁側の我々を一通り見渡すとゆっくりと離れて行った。我が家なら「いらっしゃい!」と言うところか、、、。(2017年春詠)

蹲に空のゆれをり涅槃西風

かつての会社の同僚を訪ね、縁側のひだまりで男三人が話し込んだ時の句です。縁側はひだまりですが、外の風は冷たそう。手入れの行き届いた手作りの庭に据えられた蹲、その空の映った水に漣がたっていました、、、。(2017年春詠)

啓蟄や土掘る荒き重機の手

啓蟄です。このところの暖かさでもう出ているものもいますね。重機の作業、離れて見れば面白いのですが、近づくと怖い気がします。あの一掻きに啓蟄を待ちわびた何匹の虫たちが入っているのでしょうね、、、。(2017年春詠)