牛小屋の跡の更地や実南天

南天の句をもう一句。木山神社に初詣に行くようになっておよそ25年ほどになります。行き始めた頃には参道脇のお家に注連飾りをした牛小屋があって、奥の暗がりに暗がりと同じような色の和牛が鳴いていました。その牛がいつしかいなくなり、注連飾りと牛の匂いだけの牛小屋を見て帰る年が何年も続きました。それが昨年、その牛小屋が跡形もなく無くなっていたのです。それも更地になって間がない土の色でした、、、。今年は、土の色が周囲と同化して、私のように牛小屋の匂いを楽しみにしていた人間でなければ、そこに牛小屋があったなんて分からなくなっていました。傍らの南天は今年も元気そのもの、葉も実も、、、。(2017年冬詠)

南天の葉までも赤し寒の入

小寒です。南天にもいろいろな種類があります。葉が赤くなるのも種類によるのかと思うのですが、この時季に赤くなった葉を見ると、何だか寒さに耐えて赤くなっているような気がして、こちらまで寒くなってしまうのです、、、。(2017年冬詠)

日矢下りてあらたかなりし初社

毎年の初詣、落合の木山神社での句。長い石段を登り、鳥居をくぐると正面に社殿が少し見上げる形であります。やれやれと思って見上げた時に雲の間から日矢が二すじ社殿に下りて来ました。なんだかありがたい物を見たような気分でした、、、。(2017年新年詠)

御慶まづ交はす深山の明烏

明けましておめでとうございます。いかに平凡な日々かと分かるような昨年の元旦の第一句です。でも考えてみれば平凡が一番、また一年マイペースで歩んでいきたいと思います。本年も変わりませずよろしくお願いいたします、、、。(2017年新年詠)