鳥交るあつけらかんと空ありて

晩春の青空の下、考え事をしながら歩いていると、突然に声がしてもつれれるように雀が落ちて来る。と見ればもう二つに分かれて飛び立っている。何を考えていたんだか、忘れてしまった、、、。(2018年春詠)

花の雨蕊の色濃くなりつつも

寒さのせいでしょうか、毎日午後になると強風が続いているにもかかわらず、桜は満開を保っています。天気が良ければ蕊の色が濃くなった散る前の今が一番きれいなのですが、昨日はあいにくの雨、ちょっと寂しい色に見えました、、、。(2018年春詠)

辛夷咲く二階の窓の目の高さ

ずいぶん大きくなったもので、花が咲くと二階の窓からよく見える。とは言え、大きくなり過ぎたのか、毎年同じようには咲かない。掲句を詠んだ去年は木全体が花に覆われ見事だった。去年咲き過ぎたからか、今年はずいぶん少ない。少なすぎて寂しくて数えられないほど、、、。(2018年春詠)

花愛でる人片言の日本語で

国も聞いたが忘れてしまった。東南アジア系の若い男女、近所の桜並木の下に車を止め、ボンネットの上に女性を載せて記念撮影をしている。新しくはない中古の大衆車と、女性の民族衣装と深い眼差し、なかなか良い。撮影が終わるのを待って通り抜けようとしたら、向こうから片言の日本語で話しかけて来た。話を要約すると、日本の桜は綺麗、彼女は奥さん、奥さんの国には桜が無い、だから沢山写真を撮って送ってあげる。お父さんお母さん喜ぶ。そんな話だった、、、。(2018年春詠)

こでまりのまだ緑して風受くる

小でまりの咲き始めの花は緑に見える。咲くにしたがって色が薄くなり真っ白の花となる。細い枝に纏まった小さな花を沢山つける。花の重さで枝垂れた枝が風にゆれる。掲句はその前、まだ咲き始めの花は小さく、ゆれは小さい。児島風の道にて、、、。(2018年春詠)