門川の涸れて積もりし柿落葉

裏の用水路、農業用だから冬は水の必要がなく、涸れてしまいます。傍にある柿の木の落葉が、風に寄せられて、うまい具合に用水路の中に積もっています。年末までには一度掃除しようかな。柿の実はまだたくさん残っています。もう何度か霜に当たって真っ赤です。これも年末までには何とか整理したいな。と、したい事だらけで、時間だけが過ぎて行きます、、、。(2018年冬詠)

草枯れて出づる豪雨の災禍痕

大した被害も無かった事もあるし、人間が単純だから数か月たつと豪雨の恐さも頭の隅のほうへ仕舞っている。それを戒めるように、散歩の途中で何気なく見た枯草の下から現れた大きくえぐられた川岸、、、。(2018年冬詠)

振り返る尾ばかり太き痩狐

先日書いた狐罠から10mほど歩くと枯野がある。建設会社の資材置場だが使われる事が少なく、いつの間にか芒や葛や泡立ち草が生い茂って、人が踏み込めない状態になっている。そこに入ろうとしてこちらに気づき、ふり向いた動物、痩せた身体に不釣り合いな尻尾の太さは明らかに狐。どうやらそこを住み家にしているらしい。当然、狐罠の存在は知ってのことだろう、、、。(2018年冬詠)

我が同士我が愛犬よ日向ぼこ

また犬の句です。一年間は続きますのでご容赦を。同士であり相棒だった黒ラブの「もみじ」は大きくて、私の恰好の風除けだったのです。何かあると私の代わりに女房に叱られるのが「もみじ」の役目でした。それが居なくなったものですから、風当たりが強くて、、、。(2018年冬)

白銀の機影音無く冬の空

冬晴れの空の高い位置に飛行機の光る機影が見えます。エンジン音は全く聞こえません。他の季節でもありますが、冬は上空の季節風が強いからでしょうか、他の季節より多いように感じます。反対もありますね。音がするので探しても機影は全く見つからない、、、。(2018年冬詠)

母娘二人に余る掛大根

農家育ちですから大根引きの思い出も掛大根の思い出もあります。学校から帰って母と畑に行き、リヤカー一杯の大根を引いて夕日の中を帰った記憶があります。昔の農家では、一年分の漬物用や干大根用で、掛大根の量も半端なものではありませんでした。それに比べると掲句の近所の掛大根は、、、。(2018年冬詠)