暖かくなったり寒くなったり、ではなく、暑くなったり寒くなったりで今年の春はどうなっているのでしょうね。ほどよく暖かい春が良いですね。と、都合の良いことを思っています。掲句は昨年のそんな一日、、、。(2017年春詠)
月: 2018年4月
花吹雪彫跡深き城址の碑
昨年の下津井城址吟行での句。本丸跡に大きな石の「下津井城址」と書かれた碑、太い字でした。下津井港が見える山の上です。人は少なく、散りかけた桜がきれいでした。桜の穴場です、、、。(2017年春詠)
漣に乱るる山湖花の影
例年のつもりで書いていたら桜に後れを取ってしまいました。ご容赦を。棚田への途中にある山湖(大きなため池)、周囲に桜が植えてあり、満開の桜が線対称に水面に映っている。風が吹くと水面を漣が走り、岸辺近くに来ると映っている桜がしばらく乱れる、、、。最初は驚いたが、なぜか白鳥が泳いでいる、、、。(2017年春詠)
春昼の時計眠らせゐる茶房
昨日と同じ昨年の句会、名曲喫茶「時の回廊」での句。たくさんの古時計がかかっている、、、。(2017年春詠)
花散るや音なき時の流れ行き
咲くのが早ければ散るのも早い。掲句は昨年の4月13日、下津井での句だから今年はちょうど1週間ほど早いことになる。どちらかと言うと散る時の桜のほうが好きで、心に残っている思い出のシーンも桜散る中のほうが多い、、、。(2017年春詠)
人間の渡れぬ中州きぎす鳴く
上流に出来たダムに伴う河川改修で川がきれいになったのはこの地に住みだして間もない頃だった。それが次第に水流が変化し、二手に分かれて間に中州が形成されるようになった。そこに草が生え、木が育ち、今では本来の向う岸が見えないぐらいの大きな中州になっている。二手に分かれた流れはどちらも水量が多くて人が渡るのは困難、まるで鳥の天国のようになっている。雉の繁殖には最適なのだろう、よく鳴き声が聞こえる、、、。(2017年春詠)
自転車の負けじと登る山笑ふ
最近は自転車も乗っている人のスタイルも洗練されていていかにも気持ちよさそう。とも言えず、山道の上りはやっぱり苦しそう。サングラスの奥に必死の形相が垣間見えますね、、、。(2017年春詠)
頬白に啼きたき空のありにけり
寒いと思ったら霜が降りている。引き締まった空気の中で土手の桜並木は満開、その上に朝の青空が広がっている。ホオジロの声が聞こえる。少し離れた川の中州の大きな木のてっぺんに姿が見える。その声に応えるように、さらに離れた中州の木から声が聞こえる。どちらも気持ちよさそう、、、。(2017年春詠)
ヘリコプターの音の上なる花曇
春になると飛んでくるヘリコプターの数が増えると感じるのは単なる思い違いなのかも知れませんが、空から見る桜はきれいでしょうね。最近はドローンの映像とかで見る機会も増えましたが、でも実際に見るとまた格別なのではないでしょうか。いえ、そのためにヘリコプターが飛んでいるなんて思っているのではありませんよ、、、。(2017年春詠)
一両車花の駅から花の駅
四月です。行けども行けども続く花の駅、、、。(2017年春詠)