時に竿立てて釣師の小六月

鯉釣りの季節のようです。河原に車を止め、一人で何本も竿を立てている方を見かけます。おなじみの老釣師は常に一本だけ、鯉との勝負に集中されています。去年は70Cm、80Cmの鯉を何度も見せてもらいました。見事なものです、、、。(2017年冬詠)

列車着く頃や冬日の差し初めて

昨年の誕生寺吟行での句、駅で県南から来る句友の到着を待っていた時間だから午前十時前頃、やっと雲の間から駅舎の前に薄日が差してきてホッとした。晴天とはいかないだろうが、初冬らしい吟行日和の予感、、、。(2017年冬詠)

孤独なる猫の寝てをり文化の日

昨年の夏から今年の正月まで居候していた野良猫、正月が明けるとふらっと出て行ってそれっきり、どこでどうしているのやら、、、。人間につかず離れずの野良猫は昼間はいつも孤独そうに寝ていた。今我が家にはまた新しい野良猫が、、、。(2017年秋詠)

柿熟るる八十八番大師堂

街中の路地を入ると突然立派な佇まいの古い大師堂、八十八番と書いてある。いったい全国にいくつの霊場があるのだろうと思うぐらいに、どこに行っても大師堂に行きあたるが、八十八番に出会ったのは初めてだった。ここが最後かラッキーと思ったが、では一番から八十七番はというと、全く分からない、、、。(2017年秋詠)