自転車も人も老いたり着ぶくれて

近所の女性から「自転車の小父さん」と呼ばれるようになって久しい強面の小父さん。自転車の後に雨傘、頭には鳥打帽、黒の革ジャンパー、臙脂色のズボンのが定番のスタイルで、黙々と自転車を漕いで仕事(たぶん)に向かう。帰りには自転車の前かごに数点の買物を入れて、やはり同じように黙々と自転車を漕いで、、、。その小父さんを久しぶりに見かけた時の句。革ジャンがダウンの防寒着に変わり、自転車が漕ぐ度にガシャコン、ガシャコンと音を立てていた。強面に変わりはないが、心なしか年老いて見えた、、、。(2017年冬詠)