甕一つ壊して去りぬ春寒波

そうだ、思い出した!去年厳しい寒波が来たのは春になってからだった。雨樋の水を受けていた備前の甕が凍って、見事なひびが入ってしまった。気づけば氷が解けるとともに甕の水が無くなっていた。たいして価値のある甕ではないが、雨水を受けられないのは困る。ひびにボンドを塗り込んで、太い針金で上部を縛って補修した。まだ多少の水漏れはあるが、使える程度にはなって一安心。反省、自然を甘く見る事なかれ、、、。(2018年春詠)

逆立ちの鯉の屍寒の川

水量の減った川の底に何やら見慣れないものが見える。近寄ってみると頭を下にした大きな鯉、一向に動く気配はない。よく見ると多少色も変わりかけているようで、死んで数日と言ったところだろうか。寒さに耐えられなかった老鯉か。それにしてもどうして逆立ちなんだろう?と想像を膨らませた寒かった昨年の句、、、。(2017年冬詠)