落武者の列の如くに曼殊沙華

衰えて雨に濡れた彼岸花、まるで落武者のようだと思った昨年の句です、、、。先日所用で実家まで帰って気づいた事ですが、313号線を走る道すがら、ずいぶんと彼岸花が増えました。一時コスモスが増えて、行けども行けどもコスモスの花でしたが、今は行けども行けども彼岸花なのです、、、。(2018年秋詠)

稲滓火の煙の中の日暮かな

せっかく乾いたところに雨が降っては敵わないと雨の前の夕方にはあちこちで稲滓火の煙が上がる。村中が煙に覆われるが、田舎だから文句を言う人はいない。こんな日はサッサと洗濯物を取り込んで煙に備える、、、。(2018年秋詠)

知恵の輪の解く知恵の出ぬ夜長かな

ほんの出来心で手に入れてしまった知恵の輪のセット、そのうちの一つが解けただけで、あとは知らぬ間にどこか目につかない所へ、箱に入ったままで、片づけられてしまったようだ。、、、。(2018年秋詠)