友人とSNSで会話をするようになって何年になるだろう?一人、二人と同級生の参加者が増えて、何だか同窓会のようで楽しい。俳号を使うようになった頃は名乗るのも恥ずかしかったが、今では慣れてしまって本名で呼ばれるほうがかえって恥ずかしい気がする。ましてSNSでこの歳になって「ちゃん」付けでの書き込みがあったりするとなんだかくすぐったくなってしまう、、、。(2016年冬詠)
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特養の門広くあけ冬日和
近くで一番大きな建物がこの特別養護老人ホーム、天気が良いと入所者を車椅子で連れ出して日光浴をさせる姿をよく見かける。広い敷地の一角に柵で囲ったところがあり、時々大型犬が放たれている。短期の入所者の飼い犬で、家に面倒を見る人がいないからと一緒に入所しているらしい。いつも退屈そうにしていて、通ると寄って来て柵に足をかけ、うちの犬を羨ましそうに見る。また何日かするといなくなるのは、たぶんご主人と一緒に家に帰ったからだろうと、、、。(2016年冬詠)
木枯や昔ももひき今タイツ
子供の頃はお世話になりました。たぶん故郷を後にした頃からでしょうね、穿かなくなったのは。それが、寄る年波にはかなわず、最近は時々お世話になります。ただしタイツです、、、。(2016年冬詠)
蝋梅の葉を落としつつ匂ひつつ
昨年の12月7日、県南の早島での句。早い、もう咲いている。それもまだ葉が残っているのに、と感心した時の句。県北だと蝋梅が咲くのはもう少し遅い、我が家の場合年が明けてからになる。その我が家の蝋梅、木ばかり大きくなるので、一度リセットしようと、この秋に根本からバッサリと切った。今小さな枝が出ているので、また数年後には、、、。(2016年冬詠)
それとなく差して陰りて冬日かな
日が差して暖かくなったと思ったらまたすぐに陰ってしまう。まあ降るよりはマシかと自分に言い聞かせて外仕事、、、。(2016年冬詠)
銃身を隠して猟夫人里へ
銃身は隠していても朱色の上着と帽子ですぐわかります、、、。(2016年冬詠)
川の鳥一斉に発つ鷹の影
散歩の途中、百羽をゆうに越える川の鳥たちが大きな羽音をさせていっせいに飛び立った。何事かと驚いていると大きな鳥が一羽、鷹だった。大きさは鳶と同じくらいだが、羽ばたきとスピードが違う。もっともこの時は鳥を襲おうとする意思はなかったのだろう、川の上を悠然と通過し、南の山上へと消えて行った、、、。(2016年冬詠)
完璧と思へど曇り竜の玉
子供の頃田舎では「クスダマ」と言っていました。細い竹でクスダマ鉄砲を作り、その玉として使っていました。最適なのは程よい大きさと、傷の無い実です。それに何よりそのほうが美しい。そんな記憶があるからでしょうか、今でもついつい完璧な物を探してしまいます、、、。(2016年冬詠)
北風やコークス匂ふ街の空
まだ務めていた頃、北風の強い冬の日に外に出るとどこからともなくコークスの匂いがしてくる事がありました。冬雲の隙間から時々薄日が差して、隣の工場の金属の旗竿がゆれる旗紐に打たれてカンカンと音を立てている。そんな日です。昔のストーブの、暖かい何だか懐かしい匂いです、、、。(2016年冬詠)
解体のビルの槌音暮早し
近くにあった元工場兼ショールームのような建物でした。長い間に表の広いガラスが割れ、スプレーでの落書きが目立つようになっていました。その解体作業、三日ほどだったでしょうか、きれいな平面が出来上がったのは。解体の技術に感心したものです。あれから一年、その後はいまだに平面、、、。(2016年冬詠)