水ありて命湧きけり蛙鳴く

川の流れが分岐して土手のすぐ下に細い流れが出来ている。細いけれど流れは豊か、軽やかな音を立てて流れている。春になるとその音に蛙の声が加わる。鳴いている位置が良いのだろうか、ケロロケロロと水音に負けないぐらい軽やかな声、、、。(2017年春詠)

鳥の声やめば蛙が雨来ると

天気予報は晴れですが、今日は穀雨です。雨は良い事もあれば悪い事もあります。地震の後の壊れた屋根を雨に備えてブルーシートで覆う作業を見たりすると、つくづくと屋根のある暮らしをありがたく思います。何か自然に人間が試されているような気さえしてきます、、、。(2015年春詠)

近寄れば鎌はごめんと蛙鳴く

活発に動くにはまだ気温が低いのだろう、蛙はまだ草の根元でじっとしていることが多い。土手の菜の花が育ちすぎて圧迫されそうなので、少し整理しようと鎌を進めるとなにやら悲鳴のような声がする。刈った菜の花を掻き分けると小さな蛙が出てきた。おいおい大丈夫か、とひっくり返してみたがどこにも傷はない。ああ良かった、と元に戻すとのそのそと四肢を使って菜の花の間へ隠れて行った。動きは遅い。草刈はもう少し待って、ということだろう、、、。(2014年春詠)

蛙出てたちまち雨を告げはじむ

いきなり鳴きだして、「おっ!蛙だ!」と思うだけで、本当はもっと前に冬眠から起き出しているのだろう。何はともあれ、そろそろ草刈を始めなければと鎌を研いでいると、「ここに居るぞ」とばかりに大きな声がする。蛙が鳴くと雨とは言うが、当たるも八卦当たらぬも八卦、ぐらいが楽しい。ヤン坊マー坊の天気予報は終わってしまったが、こちらはいつまでも続くだろう、、、。(2013年春詠)

鎌研げば蛙鳴きだす草の中

ちょうど去年の今頃まとめて詠んだ句から少し書きます。無職となって三ヵ月、思い立って家の裏の草刈をしたときの句です。当時の生活ぶりを詠もうとしたのですが、一年経って冷静に見直すと残らないものですね、、、。まずは鎌を研ぐところからです。もう十年以上使っている手に馴染んだ鎌です。買ったときには高かった、、、。<俄仕事-1>(2012年春詠)

初蛙するりと箒抜けにけり

一度に春が来たような日だった。そろそろやっておかなければ手がつけられなくなる庭の手入れ、手始めに落葉を掃いていると箒から零れるようにするりと残ったものがある。もう一度掃こうとして保護色の蛙であることに気付いた。「おいおい、気をつけてくれよ!」と言わんばかりの顔をしていたので「ごめ~ん」と一枚パチリ。初蛙(2012年春詠)