節分の鬼の出て来る自動ドア

偶然とは面白い。交差点で止まり、見るとは無しに目を向けた洒落たビルの正面の自動ドアが開き、いきなり大きな金棒を持った赤鬼が出てきた。次にお多福、続いて神職らしい烏帽子の男性と続く。三人は揃うと何やら話し合って、今度は隣のビルへと入って行った、、、。昔、鬼になって家々を回る、神社の節分のアルバイトがあると聞いた事がある。どうやらそれらしい、、、。(2023年冬詠)

柊の挿しあり古き門構へ

通りがかった路地に面した勝手口、何かな?と思って近づいてみると、柊の小枝と小さな鰯の頭。ぐるりと門の方に回るとこちらにも同じように挿してある。柊と鰯、セットで販売されているのかな、こじんまりとしたサイズが揃っている、、、。(2023年冬詠)

クリスマスローズに花芽冬日濃し

今日から二月。庭のクリスマスローズの花芽がぶっくりと今にも開きそう。一月が暖かかったせいで我が家としては例年より少し早い。新しい株もいくつか。どんな花が咲くのか楽しみ。掲句は昨年、、、。(2023年冬詠)

寒の川鳥曳く水脈の鉛色

底冷えのする日の夕方、光線の関係か、川の水が重そうに見える。同じ寒さの日でも朝の川の水は硬そうに見える。見えるだけで、水鳥はどちらもお構いなしに元気に泳いでいる。でも、冷たいだろうなあ、、、。(2023年冬詠)