冬麗やトラックに待つ引越し荷

岡山の喫茶店での句会へアーケード街を歩いていた途中、ふと見た路地に引越らしい荷物を満載したトラックが、冬の日差を浴びながら止まっていた。これから出発するトラックか到着したトラックかわからないが、日差の溢れる路地もトラックも、閉まった店の多いアーケード街の暗さとは対照的だった、、、。(2013年冬詠)

二階よりバイエルこぼれ冬麗

散歩の途中で聞こえて来たたどたどしいピアノの音、今まで聞こえたことが無かったから新しく習い始めたのだろう。あれから三年、今も通ると時々聞こえる。発表会用の曲だろう、だいぶピアノらしくなってきたなあ、なんて自分の子どもが小さかった頃を思い出している、、、。がんばれ、ラ・カンパネラまではまだ遠い、、、。(2010年冬詠)

冬麗や街角ごとに地蔵尊

早いものです。徳島県阿南市での暮らしが、もう一年前のことなのです。掲句は俳句手帖を見ると赴任の翌日に詠んでいます。予想される運動不足の解消と、本来の好奇心を満たすためには、朝の散歩は欠かせません。昨夜買っておいたサンドウィッチとコーヒー(うれしいことに、最初に泊ったホテルにはドリップ式のコーヒーパックが付いていました)で朝食を済ませ、フロントで貰った近辺の地図を頼りに早速出かけました。まずはホテル周辺からと出かけた街角の景、朝にもかかわらず暖か、、、。<阿南1>(2011年冬詠)