初桜言ふて強面くづれけり

ちょっとまだ早いかなと思いつつこの句を、、、。朝の散歩で時々会う、昔はさぞや怖い人だったろうと思える老人。出会い始めた頃には服装も、携帯で誰かと話している口調も、本当に怖そうな人だった。それが一時見なくなり、次に見るようになった時には顔はそのままだったが、身体が不自由なようだった。いつも間合いを計ってこわごわと挨拶をしていたが、掲句の日、私が桜を見上げていると近づいてきた老人は、いきなり「咲いたなあ」と言って、何とも言えないクシャクシャの笑顔を見せた。それ以後も間合いを計って挨拶をしているが、前ほど緊張はしなくなった、、、。(2015年春詠)