橋のたもとにランニング姿の少年が数人、楽しそうに話しながら中の一人が靴紐を直している。さあこれから走りに出ようとする所らしい、、、。(2022年秋詠)
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一日で乾く牧草天高し
日差が濃くて湿度が低い。いまだに暑い。乾きが早いのは洗濯物だけではない。牧場へ行くと乾燥した牧草を大きなドラムのように丸めて白いビニールシートで包みにした物が沢山転がっている。あれも大型の農業機械で簡単に作れるのだろう。ちょっと日本離れした風景、、、。(2021年秋詠)
神官の砂利踏む木靴天高し
今日は神官の本職のほうの句です。浅葱色の衣装に烏帽子、木靴を履いて境内の砂利の中を拝殿へ。真青な空の下、、、。(2019年秋詠)
天高し送電線を人渡り
小学生の頃通学路の頭上に送電線を敷設する工事があり、山上の鉄塔から次の山上の鉄塔へ渡した送電線を工事の人が渡る姿を見上げて驚いた事があります。あれから六十年あまり、もう見ることは無いと思っていましたが、昨年近所を通る送電線を、たぶん点検でしょう、渡る姿を見ることが出来ました。残念ながら、子供の時ほど感動はしませんでしたが、そのかわり一句に、、、。(2019年秋詠)
天高し茶店のおかみお喋りで
名園なのに入園は無料の衆楽園、そのせいか中にある唯一の茶店の前は老人の憩いの場となって、いつも賑やかな声が聞こえている。すぐ近くに市役所があるせいで、用事のついでに園には年に何度か行くが、茶店には側にあるトイレに行くぐらいで、ほとんど寄ることは無い。掲句の時、たまたま店の前が静かだったので寄ってみたら、女将が以前と代わっていた。年齢もお喋りなことも、以前の女将と同じようなものだったが、、、。(2016年秋詠)
天高し二人に幸の多かれと
親の願いはこれだけです、、、。(2015年秋詠)
一筆で雲の掃かれて天高し
十月です。今年もあと三ヶ月、早いものですね、、、。(2014年秋詠)
天高し伽藍の鴟尾に鬼の顔
その誕生寺の本堂の大伽藍の鴟尾、鬼の顔に見えたのだがはたして、、、。最近は視力に自信無し、、、。(2013年秋詠)
屋上に病衣はためき天高し
今はどうなのだろう。洗濯機や乾燥機も進歩し、病院もずいぶんお洒落になった。だから現在の病院には、こういう光景は無いのかも知れない、、、。病院の屋上は物干場になっていて、沢山の洗濯物が風にはためいている。カラフルとは言い難く、おおむね白が多かった。残った空間にベンチがいくつか置いてある。ベンチに座って眺めると、どこまでも青い秋の空があり、旅人のように雲が流れている。不思議と音の記憶はない、、、。(1999年秋詠)