やさぐれて人家うかがふ寒狐

少し前から我が家の庭に四足の動物と思える糞が時々見られるようになりました。小さいから鼬だと思うのですが、正体はまだ見ていません。狐もやって来ますが、狐は糞は残しません。その代わり強い獣臭を残していきます。強烈で、犬の比ではありません。掲句の狐は早朝の散歩で遠くから見かけた狐、やせ細って、家の方を伺いながら行く姿にこんな句が出来ました。もっとも太った狐はいませんけど、、、。(2014年冬詠)

寒狐人家うかがひつつ行きぬ

吉井川の土手と旧出雲街道沿いの集落の間には田圃が広がっている。その田圃の中を集落と並行して新しい道が一本走っている。散歩コースの土手からは集落とこの道を、遠くに見下ろすような位置関係になる。まだ夜明の暗さが残るこの田圃の中の道を、一目でそれと分かる狐が一匹歩いていた。狐は人の動き始めた人家の方が気になるのだろう、時々立ち止まってはそちらを窺い、こそこそと歩き始めるのだった。反対側の土手に人が居るなんて思わなかったのだろう、土手を散歩する私から見るとその姿は、まるで無防備に見えた。(2010年冬詠)