付けし道もどして終へる川普請

掲句は昨年の冬、近くの堰の改修工事の観察記録です。まずは堰の所に重機を入れるために、土手の上から河川敷の公園を横切る道を、重機で作って行きます。それから堰の改修、もちろんその重機を使います。工事が終わればその重機で今度はその仮設の道を撤去していきます。あとは傷んだ芝生を貼り直して終わりでした。重機の無かった昔は大変だったろうと、つくづく思いました、、、。(2017年冬詠)

川普請重機大きく人小さく

散歩の終点と決めている吉井川の井堰で工事が始まった。看板を見ると「水門開閉機器の更新」と書いてある。よくわからないが、土手から河川敷の公園を横切って河原までアクセス用の道が造られ、大きな重機が動いている。工事を見るのは好きで、叱られない程度まで近づいてしばし眺める、、、。(2016年冬詠)

川普請しるしの紐の新しき

河川工事は水量の少ない冬に行うことが多いからだろう、「川普請」という冬の季語がある。もっとも今時「川普請」などと言うのは俳人ぐらいのもので、ほとんど死語と言っても良いだろう。年度末が近づくこともあるだろうが、確かにこの時期になると工事が増える。散歩コースにある古い用水のコンクリート化の工事も、どうして一度に行わないのかと思うぐらい短い距離を、何年もかけての工事が続いている。まずは工事の範囲を示す新しい白い紐が張られるのだが、それを見る度に「またこれだけか」と思ってしまう、、、。(2010年冬詠)