叱られし子に柊の花匂ふ

長年徒歩通勤をしたが、それは自分の歴史でもあるし、道すがらの家々の歴史でもあります。通りかかると「おっちゃん、おはよう」と言ってくれた幼稚園の女の子は、高校生になり、やがて子どもを抱いて里帰りをした姿を目にするようになりました。貰われてきたばかりだった子犬は、うるさい犬に育ったが、やがて年老いて眠るばかりになってしまいました。柊のある家の叱られてばかりいた男の子は、いつの間にか見かけなくなってしまったなあ、、、。(1999年冬詠)