蕗むきし証拠の指の四日ほど

我が家の裏の土手の草が雨続きで伸び放題、それを刈る前にと今年二度目の蕗の収穫をしました。年中行事の一つです。収穫して葉を落し剥くまでが私の仕事です。色の変わった指先を気にしながら出歩くのも毎年の事ですが、今年は STAY HOME で誰にも会いません、、、。(2020年夏詠)

七人の小人でさうな蕗の下

記憶に残る本の中に、子供の時に図書館で借りたコロボックルの本があります。物語の内容は覚えていないのですが、日本にいる小人の話で、ずいぶん夢心をかきたてられた記憶があります。その記憶がこの句の下地で、大きく茂った蕗の葉を見ると今でも小人のことが頭をよぎるのです。それでさっきコロボックルについて調べてみたら、アイヌ語で「蕗の葉の下の人」という意味と書かれていた、、、。(2014年春詠)

蕗始末古新聞を濡らしつつ

さて、今回のシリーズの終りは、草刈前に採っておいた蕗の始末です、、、。植えたわけではありませんが土手では蕗が採れます。蕗は我家の貴重な食材です。季節感があって美味しいですね。もちろん、採るのも始末するのも私の仕事です。玄関脇に腰を下ろし、新聞紙を広げて、指先を染めながら、、、。サラリーマン時代は、爪のあたりに色を残したままのこの指で、仕事に行ったものでした、、、。<俄仕事-7>(2012年春詠)