川土手にする立話風光る

しばらく会わなかった自転車を押して一駅を歩く人に、散歩途中の土手で出会い、しばらくの立話。聞くとまた新しい仕事を始められたとか。それでここを通る時間帯も変わりましたと。退職以来休日の私、頭が下がります。写真を撮ってくださいと渡されたのはスマホ、逢わないうちにこちらも進歩、、、。(2022年春詠)

風光る満艦飾の雨上がり

待ちに待った雨上がり、待っていましたとばかりに干される洗濯物。こんな句を残しているのできっと昨年は雨が続いてこんな光景だったのでしょうね。今年は、雨は少ないですね。その代わり暑い、、、。(2021年春詠)

水門のペンキ塗り立て風光る

川土手に設けられた水門、冬の長い間工事中の看板が出ていたがやっと終わったらしく、ある朝看板が「ペンキ塗りたて」の表示に変わっていた。色は薄いブルー、春の川によく合う。あれから一年、もちろん看板はもう無い。水門の薄いブルーはそのままだがすっかり景色に溶け込んだ色になっている、、、。(2021年春詠)

風光る同じ形の屋根三つ

風光るはいかにも春らしくて好きな季語です。こんな日は歩いていてもついつい遠くを眺めてしまいます。広い田圃の向うに同じ形の屋根が三つ、私が住み始めたのと同じぐらいに出来た宅地の三軒です。どの家も同じように古くはなりましたが、同じように恙ない暮らしぶりが見える三軒の家です、、、。(2020年春詠)

疎水へと堰の水音風光る

散歩コースの終点に大きな堰があります。大川を斜めに堰いてその先の取水口が灌漑用の水路へと繋がっています。私が見るのはその堰までですが、そこから先の水路は江戸時代に出来た全長16キロに及ぶものだそうです。川土手を歩いて行くと堰の水音が遠くまで聞こえてきます。それと同時に白い壁となって堰を越える水流が見えて来ます。四季おりおりに楽しめますが殊に春になって上流の雪解け水が加わるこれからが見頃になります、、、。(2020年春詠)

スケッチの一心不乱風光る

倉敷美観地区での句、あちこちに自分の世界に入っている方が、、、。以前そんな方から絵葉書を頂いた事があります。ご自分の絵を絵葉書にしたもので、あ、あの時に見た景だと即座に思いました。実際にはお会いした事がない方ですが、もしかしたらあのスケッチをされていた方の中の一人だったのかも知れませんね、、、。(2019年春詠)

手を上げて挨拶をして風光る

しまった大失敗。7年目に入っていました(12日)。とは言え、7年目ともなると感動もうすく、いつまで続けられるかなあ、と言った感じです、、、。そこでまたまた好きな季語「風光る」の句です、、、。田圃一枚隔てた向うにこちらを見ている人がいる。どうやら知り合いらしい。声を出すには遠すぎるのでそちらを向いて手を上げる。向こうも手を上げる。ちょっと冷たい風が心地よい。ただそれだけの事でした、、、。(2017年春詠)