鳥交るあつけらかんと空ありて

晩春の青空の下、考え事をしながら歩いていると、突然に声がしてもつれれるように雀が落ちて来る。と見ればもう二つに分かれて飛び立っている。何を考えていたんだか、忘れてしまった、、、。(2018年春詠)

過疎の村つなぐ電線鳥交る

あちらの家も一人、こちらの家も一人、そんな過疎の村の家と家を、電線が繋いでいます。賑やかだった昔と変わらず、、、。お坊さんの読経の中で眼をやった電線の光景、、、。<その5>(2009年春詠)

薬師寺の塔の頂鳥交る

妻のお供のバスツアーで奈良に遊んだ時の句。梅が盛りを過ぎた頃だったが寒かった記憶がある。薬師寺の東塔の上から二羽の雀が賑やかに、縺れるようにして落ちてきた。下まで落ちるのかと思うと何層目かでするりと反転し、また上のほうへ飛んで行った。(2001年春詠)