降った雨が雲になって緑の山肌を昇っていく。「やれやれ、やっと上がったよ。」と山も一息ついているよう、、、。(2017年夏詠)
しつとりと犬のリードの梅雨じめり
やれやれ、やっと上がったか、と雨の隙間を見つけて犬の散歩に出る。犬が大きいからリードも太い。しっとりと、重い、、、。(2017年夏詠)
一面にテロ新聞の梅雨湿り
さて何のテロだったのか、平和ボケの頭にはすでに記憶が無い。昨年の6月8日、、、。(2017年夏詠)
滝音となる時風の生まれけり
小滝と言うぐらいだから普段は水量の少ない滝なのでしょう。行ったのがたまたま雨の後で、道路に溢れるほどの水量で大きな音を立てていました。風が生まれ、滝の飛沫に濡れた紫陽花の青が鮮やか、、、。(2017年夏詠)
生き死にを言うて薔薇見る婆二人
人の生き死にも日常の一つ、薔薇を愛でながら合間合間に大きな声で知人の生き死にの話が入る。屈託のない老婆二人の会話。RSKバラ園にて、、、。(2017年夏詠)
学成らず老いし少年栗の花
栗の花が咲き始めました。「墜栗花」と書いて「ついり」と読みます。梅雨入です。すなわち栗の花が散る頃が入梅と言うことなのでしょう。雑学です、、、。(2017年夏詠)
あめんぼを浮かべて速し濁り川
昨年のRSKバラ園吟行での句。正面の広い駐車場に沿って木立があり川が流れています。県南もそろそろ田植シーズンだったからでしょうか、水量も多く濁っていました。たくさんのあめんぼが浮いて、流れが速いものだからどのあめんぼも必死の動き(と思ったのは私だけかも知れませんね)、、、。(2017年夏詠)
姫女苑咲けども捨田華やがず
姫女苑が咲き始めました。掲句は昨年、句会への途上での句。国道429号線を走ると捨田、休田がいくらでも見られます。私の実家の田圃も同じです。だから心が痛みます。やめたのは父ですが迷わず賛成したのは私です、、、。(2017年夏詠)
青嵐葉裏葉表まぜかへし
まだ葉の茎が定まらないからでしょう、ちょっと強い風が吹くと山の木々が葉裏を見せます。まるで山全体がひっくり返ったように、、、。(2017年夏詠)
三尺の脚立の上の涼しさよ
そろそろ生垣の剪定を始めます。私の年中行事です。とは言うものの、やはり年を追って負担が大きくなってきた気がします。始めるまでが大変なんです。今日こそ、今日から、と思うばかりでとうとう六月に入ってしまいました。始めてしまえば掲句のような風にも出会えるのですけどね、、、。(2017年夏詠)