「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」なんて言いますが、まさにそうだと思ったのがこの梅でした。空家になって何年になるのでしょう、伸び放題に伸びて自由に花をつけた梅のなんときれいなこと!掲句は昨年、県北で梅が咲くのはもう少し先になります、、、。(2017年春詠)
セールスと話してをれば「あ、梅が!」
我が家の門のところから隣家の梅の木が見えます。面倒なのでセールスの方とは出来るだけ門の所で対応するようにしているのですが、この日もそうやって話していた私の目の先のその木に二、三輪の梅の花、思わず声が出てしまいました。「えっ?」「ほら、あそこ!」、何だか本気で聞いていないのが分かったみたいでその後は、、、。(2017年春詠)
立春の折目正しき寒さかな
掲句は昨年の立春、考えてみれば暖かかった立春など記憶にないですね。今年はまた例年にもましてこれからも寒さが続くようです。皆さまお元気でお過ごしください、、、。(2017年春詠)
山茶花の垣の疲れも春近し
節分です。近いも何も、明日から春ですね、、、。(2016年冬詠)
寒椿仰げば鳥の巣の見えて
見上げた寒椿の木の奥にひっそりと鳥の巣、鳥の姿は見えませんでしたので、何の鳥とも分かりませんが、、、。(2016年冬詠)
冬深しいつも十時の掛時計
二月です。掲句は某喫茶店の掛け時計、動いていません。飾りです。昨年吟行で児島の旧野崎家住宅へ行きましたが、こちらの古い台所の奥に掛かった掛け時計、動いていましたよ、正確に。野崎家住宅は細かい所まで気配りの行き届いた展示がされていて、また行ってみたいところです、、、。(2016年冬詠)
寒晴や音はすれども機影なし
一月も今日で終りです。寒ももう少し、という事で掲句を。寒いけど、どこかに春の近さが感じられる空の色です。機影はどこにあるのやら、、、。(2016年冬詠)
新築の家出来上がり春待てる
他所の事ながら新しい家が建つのは興味津々、散歩途中の楽しみだった。出来上がったのは今風の角ばった、屋根一面がソーラーパネルの家。我が家の頃とは工程も出来上がりもずいぶん違うなあと思っていた昨年の今頃の句。一年経つと家もすっかり周囲に溶け込んで、当たり前のようにそこにあります、、、。(2016年冬詠)
杖持つ手あげて横断冬の道
横断歩道の所まで杖を突いて歩いて来られた老人、信号が青になるとその杖を持ったままの手を上げて渡り始められた。杖は頭上高く、、、。(2016年冬詠)
木には木の地には地の熱雪解ける
木があると根本の周囲から雪が融けてゆく。大地も同じように日が当たっていても雪が早く融ける所とそうでない所がある。なぜだろうと、そんな事を考えていた時の句です、、、。(2016年冬詠)