時々こんな事が、、、。(2016年秋詠)
木の実降る我亡き後もその後も
当たり前の事ですが、、、。(2016年秋詠)
秋雲の速さは時の速さとも
ふとそんな風に思いました、、、。(2016年秋詠)
水音のかそけし棚田刈りし後
先日県南へ行ったら黄金色の田圃が広がっていました。県北の棚田ではすでに刈取後に伸びた芽が青々と育っています。そばを流れる水路は水も少なく、雑草に隠れるようにして細々と音をたてています、、、。(2016年秋詠)
穂芒のきつね色なる峠かな
昨日に続き峠です。こちらは国道53号線の鳥取県との県境、黒尾峠と言います。やはり上り切ったところにドライブイン、国道を挟んだ道路脇にはちょっと名を馳せた鯛焼き屋と、シーズンにはいつも混雑していた所です。こちらは自動車道の整備で通行量が減ったからでしょうか、行ってみると建物すら無く、ただっ広い空地となっていました。張られていたロープをくぐって空地に立つと、何だか狐につままれたような気分がしました、、、。(2016年秋詠)
県境の峠色なき風ばかり
鳥取県との県境、人形峠での句。トンネルが出来てからというもの、喘ぎながら曲がりくねった坂道を峠まで上ることは無くなった。では道路は荒れているだろうと思っていたが、予想とは全く違った。峠付近にはいまだに原子力関係の施設があるため、道路もよく整備されている。かつて、やっと峠かと一息ついた前面が広いガラスに覆われたドライブインも、今は他の用途で使われているらしく、荒れることなくその佇まいを残している。ただ違うのはかつての賑わいが全く無い事、人影は自分だけ、通る車も無い。道べりのコスモスが時々風にゆれていた、、、。(2016年秋詠)
蛇穴に入る一枚を脱ぎ散らし
私感ですが、蛇は冬眠の前に一度脱皮するようです。この時季になると散歩の途中で見る蛇の皮が急に増えます。その数ほど本体を見ることは無いので、たぶんもう穴に入っているのだろうと思うのです、、、。(2016年秋詠)
名園の外れ名も無き草紅葉
知らないだけで、本当は名のある草なのですが、、、。(2016年秋詠)
稲滓火の一村煙に巻きにけり
この句もまた、昔と違いと書くことになるのですが、今は収穫と同時に藁は裁断され、そのままにされるか、あるいは掲句のように燃やされます。大がかりに燃やされると掲句のように、、、。(2016年秋詠)
白鳩も黒鳩もゐて落穂かな
昔と違って機械化の進んだ現代の稲作では落穂を拾うような場面を見ることはありません。だから鳥たちにとっては天国だろうと思います。雀は大集団で飛び回っていますし、街中で見るような白や黒の鳩が、、、。(2016年秋詠)