待春の瀬戸の大凪小凪かな

四国勤務のころ、毎週渡っていた瀬戸大橋、余島のパーキングエリアでの句です。遅かろうと早かろうと、とにかく余島で止まって海を見ていました。あの年は寒かった。新年から雪の中を走って行った記憶があります。懐かしいです、、、。(2011年春詠)

朱き実に声絞りきる冬の鵯

庭のクロガネモチの赤い実を目当てにヒヨドリが来ます。集団で来て一日で食べつくすのはもう少し先ですが、その先遣隊のようなものでしょうか。数羽が来て夕日の中でこれでもかと言うぐらいに声を絞っています、、、。(2015年冬詠)

冬朝日巨大煙突けむり吐く

ちょうど散歩の途中で遠くの小高い丘の上に新しいゴミ処理施設の白い煙突が見える。東の山上から出た朝日が最初に照らすのが西のその煙突あたりで、煙を吐く白い煙突の一帯が輝いて見える。煙突と言ってもいつも煙が出ている訳ではなく、朝はよく出ていると思っていたら、市の広報に実際は煙ではなく水蒸気で、大気の温度との関係で白く見えると書いてあった。なるほど最新の施設で煙はないよね、と一応納得はしたが、、、。(2015年冬詠)

ことさらに一日長き初仕事

俳句を始めて二十年目に入りました。長い割に進歩は少ない。今年は今までの句を一度整理してみようと思っています、、、。パソコンの古いデータを追っかけて行くと、俳句を始めたのは1997年12月25日、年が明けて初仕事の日に作ったのが掲句になります。若かったですね、、、。(1998年新年詠)

凍てし地を光らせほのと初明り

掲句は昨年の句ですが今年の元旦、エイヤッと起きだして新年早々の早朝散歩に出ました。東の山の上の空がほのかに赤く初明かり。数日続く放射冷却で霜の降りた大地が闇の中でかすかに輝いて見えます。冴え冴えと光る遠くの街灯。寒~っ、、、。(2016年新年詠)