かなぶんの瑠璃の背急に開き発つ

また古い句です。散歩の途中で見つけた綺麗な黄金虫、観察途中に突然、、、。黄金虫は逃げましたが、代わりにこの句が残ったのです。この句は出来た場所もきちんと覚えています。GPSぐらいに正確に、、、。(1998年夏詠)

たつぷりと水出るトイレ梅雨さなか

梅雨に入りました。いきなり梅雨らしい空模様です、、、。掲句のトイレは国道429沿いの道の駅のトイレ、ここのトイレはいつも勢いよく水が出るのですが、とりわけこの時は壊れたのではないかと不安になるぐらいたっぷりと、、、。(2015年夏詠)

らつきようの白き眠りの瓶の底

先日 money.child さんに発掘していただいた初心の頃の句です。自分でも懐かしくて書いてみました、、、。好みはまだ青臭さが残るぐらいのラッキョウですが、二人暮らしになってからというもの消費量ガタ落ちで、古いラッキョウがいつまでも出てきます。困ったものです、、、。(1998年夏詠)

ちよつと手の届かぬ高さ桑いちご

こんなところに桑の木が、と気づいたのは数年前で、散歩途中の土手に一本だけ大きく育っています。おかしなもので、気づくまでは全く興味がなかったのに、気づいてからというもの桑の実の熟れ具合がきになります。そろそろ黒くなってきて食べごろかと思うのですが、残念ながらちょっと手が届かない、、、。(2015年夏詠)

走り梅雨三鬼の句碑の文字黒し

そろそろ梅雨が近い雰囲気になってきました。掲句は三鬼生家前の句碑です。車で市内から旧道を帰る途中に三鬼の生家はあります。俳句を始める前の三鬼のサの字も知らなかった頃から数えると何百回と通った道で、いつも車の中からチラリと見て通り過ぎます。生家の前に「枯蓮のうごく時来てみなうごく」の句碑が出来たのは比較的最近です。黒く塗られた文字が雨に濡れて余計に黒く見えます。もう少し落ち着いた色にして欲しかったと思うのですが、、、。(2015年夏詠)