大鯰ひげで探りし空の縁

会社と中国道の土手の間に大きな用水路があった。吉井川の支流になり、普段はほとんど水量が無いが、田圃に水が必要な時期と大雨の時だけは用水路らしい流れを見せた。中国道の土手は鬱蒼と茂り、会社側は桜の古木が連なり、格好の目隠しになるからだろう、水量の多い時期には鯉や鯰が上って来てゆったりと泳ぐ姿が見えた。鯰は水底で昼寝のようにじっとしていたが、突然ゆっくりと身体をくねらせ、用水路の縁沿いに水面に近づくとしばらく口を動かしていた。それに合せて水面から出た太いひげが、ちょうど何かを探しているように動いた。それが終ると、鯰は再び水底に沈み、何事もなかったように動かなくなった、、、。(2011年夏詠)

「大鯰ひげで探りし空の縁」への2件のフィードバック

  1. K先生宅に行って来ました。
    80歳になられたそうですが相変わらずお元気でボケなどまるで縁が無いと言う感じです。
    F君と二人でビールに白菊冷酒とたっぷりいただきました。
    いずれ機会が有ればご一緒しましょう。

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