底冷えのする日の夕方、光線の関係か、川の水が重そうに見える。同じ寒さの日でも朝の川の水は硬そうに見える。見えるだけで、水鳥はどちらもお構いなしに元気に泳いでいる。でも、冷たいだろうなあ、、、。(2023年冬詠)
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寒朝日雲の隙間を広げつつ
寒い!と思いながら出た朝の散歩。雲の中にわずかな隙間があり、その奥に朝日が見える。出て来い、出て来いと思いながら歩いていると少しずつその雲の隙間が拡がって、、、。(2023年冬詠)
寒の湯の首までつかり聞く夜汽車
思うように早寝は出来ない。気づけば通る終列車、、、。(2023年冬詠)
雲と雲その間より寒夕日
寒も今日まで、やっと冬の終わりですね、、、。(2020年冬詠)
寒の川鳥の白黒相寄らず
身じろぎもしない白鷺と川鵜、なんだか余計に寒さを感じました、、、。(2018年冬詠)
一振りの刃のごとし寒の川
大寒です。寒かった昨年の冬の川、今年はまだここまでの川は見られません、、、。(2018年冬詠)
静けさに振子の刻む寒の時
我が家の掛時計はいまだに月に一度ゼンマイを巻くタイプです。大きな低い音で時を知らせます。振り子は一定のリズムで時を刻んでいきます。子供の頃もそうでした。古い大きな掛時計があり、病気がちだった私はその下に敷かれた布団の中でひたすら耐えていました。動くものと言えばその振り子だけで、いつの間にかそのリズムが頭の中にも刻まれて、今ではどこにいてもそのリズムが刻めるのです、、、。(2017年冬詠)
寒の川老婆こつそりごみ捨つる
もう何年も前から気付いていたのですが、毎朝大師堂にお参りをして、その足ですぐ傍を流れる用水路に持参したゴミを捨てて帰るお婆さんがいます。年齢は秋の季語になりますがまさに生身魂、風が吹けば飛びそうな風体のお婆さんです。何の意味があるのか、年寄で量もわずかなので見て見ぬふりをしていますが、、、。(2017年冬詠)
帰り来て慣れしひと口寒の水
再び四国時代の句です。久しぶりに自宅に帰って飲む一杯の水、やっぱりホテルの水より美味しい。特に寒の水は、、、。(2011年冬詠)
寒雀パンのかけらを確かむる
散歩の途中の土手の舗装路に雀が降りてきた。見るとパンの耳らしき物を銜えている。初めて貰った物か、一端路上に置いて首をかしげながらつついてみている。近づくと銜えて数メートル先まで飛んでいき、また同じことをしている。それを二三回繰り返すと、やっと私が行く方向に逃げていることに気づいたのか、道から外れて田んぼのほうへ飛んでいった、、、。(2013年冬詠)