実家にある柚子の木、手入れをしないものだからこの状態。おまけに各種の蔦まで絡まって、せっかくだから採って帰ろうと思うのだが、、、。(2023年冬詠)
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靴底に噛みし石鳴る冬隣
河原を歩くのに良いかなと思って買った靴、靴底がしっかりしている。その代わり時たま落ちている舗装路の石を噛むことも多い。その度に片足を持ち上げては指で石を外す。もう明日は立冬です、、、。(2023年秋詠)
行く秋を惜しむか鳶の輪と声と
秋が短い。もうすぐそこに冬が来ている。掲句は昨年、天気の良い日、空高く舞う鳶の声が、、、。(2023年秋詠)
走蕎麦旅の初めの腹支度
昨日の続きです。早い時間で他に客もいなかったので、注文した品を運んでくると亭主はそのまま腰を据えての蕎麦談義、若そうに見えるのによく勉強されておられる。味もそこそこ、話もそこそこ面白いが長居は無用、「次の予定が」と告げて早々に店を後に、、、。(2023年秋詠)
道標たどりて蕎麦屋文化の日
人づてに聞いた蕎麦屋さんへ。農道沿いの辺鄙な所、ほんとにこんな所に?と走って行くと道べりにお店の名前を書いた小さな道しるべ。そこからさらに田圃沿いに、道しるべを見つけては走る事三度、たどり着いたのは元農家の普通の民家。門の外を作務衣姿の男がうろうろしているので聞くと亭主らしい。「いいですよ、ちょっと早いけど開けましょうか」と入れてくれた、、、。(2023年秋詠)
山門の外にも銀杏黄葉かな
今年はまだ青いのではなかろうかと行っていない某寺の昨年の大銀杏。あるのは山門の内側ですが、門の外の路上にも張り出した枝が、、、。(2023年秋詠)
明け近き空に声だけ鳥渡る
今年もあと二か月になってしまいました。掲句は昨年のもう少し前の時期。暗い中に声だけがして、とうとう姿は見えず、割と大きめの鳥のような声でした、、、。(2023年秋詠)
老ひし眼の瞑りて見ゆる銀河かな
田舎に帰れば光が少ないから銀河が見えるだろうと、帰る度に夜空を見上げるが、なかなか適した天候に巡り合わない。そこで思いついたのがこれ、確かこの辺と夜空を仰いで眼を瞑ると、、、。(2023年秋詠)
電球色のLEDやそぞろ寒
蛍光灯には水銀が使われているからと言う理由で数年後には無くなるらしい。フィラメントの裸電球はコストパフォーマンスが悪い。LEDにすれば安くて明るいのだが、あの煌めき感がもう一つ好きになれない。読書にはやはり裸電球が一番のような気がする、、、。(2023年秋詠)
灯火親し未だ読めざる父の文字
晩年は書に親しんだ父、額装した書がいくつか座敷の高いところに飾ってある。いつも分かったような顔をして眺めているが、いまだに読めない、、、。(2023年秋詠)