空が晴れて気持ちの良い春の朝、遠くから建前の音が聞こえてきます。木が木を打つ音です。屋根の上にはクレーンも見えています。春の光が満ち溢れて暑くも寒くもない理想的な日、春の間に何度出会えるのでしょうか、、、。(2022年春詠)
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春光の屋根より雀零れ落つ
近所の平屋のお宅の屋根は毎朝雀の声で賑やかです。下を通っても平気で遊んでいます。時々もつれるようにして落ちてきます。落ちる先は塀の内側、なので私からは見えません。屋根も塀も薄茶色の和風のしゃれたお家です、、、。(2021年春詠)
春光の眩しき川の曲がり角
大水が出ると川幅を埋めてしまう川も普段はその川幅の間で屈折しながら流れて行く。ぶつかっては曲り、ぶつかっては曲りの繰り返しがやがて大きな川の流れとなって行く。その曲がり角、、、。(2020年春詠)
春光の猫の眼の一文字
これも似たような句を以前に、、、。思考が堂々巡りをしているみたい、、、。(2019年春詠)
春光や広き鶏舎に鶏一羽
大きな鶏舎が三つに区切られている。静か。全部空っぽと思いきや、通り過ぎようとすると端っこの一角に鶏が一羽。コッココッコと言いながら出て来た。姿から白色レグホンだろう。春の光がまぶしい倉敷阿智神社の鶏舎、すなわち神鶏、、、?(2019年春詠)
CDの返す春光虹色に
鳥避けに吊るしてあるCDが風に揺れてキラキラキラキラ、、、。(2019年春詠)
春光の仰げば松の末に人
大原美術館の周辺の背の高い松、年に何度も高いはしごをかけて手入れされている。ついつい見上げてしまう高さ、日差がまぶしい、、、。(2018年春詠)
春光や埃に命あるやうな
いかに無精をしているかすぐ分かります。自分が動く度に明るい窓の日差の中を舞い上がり、降りようとしてはまた舞い上がり、まるで生き物のようです、、、。(2017年春詠)
春光や鏡の中の裏窓に
洗面所の鏡に映る位置に裏窓がある。その窓の向うに土手があり、洗面所に向かうタイミングによってはその土手に朝日が当たる。その光が反射して、これまたタイミングによっては裏窓が輝いて見える。特別春に限ったことではないのだが、春には何だか光がうれしい、、、。(2017年春詠)
春光に軟体動物這ひし跡
言わずと知れた、ナ、メ、ク、ジ、それも巨大、、、。(2016年春詠)