銀輪の植田の影も走りけり

水色の大きなランドセルを背負って蚊の鳴くような声で挨拶してくれていた近所の女の子、しばらく見ないので大きくなったろうと思っていたら、先日ヘルメットをかぶって自転車で登校する女子中学生を見かけた。まだ制服も自転車もヘルメットも借りてきたような感じで、すぐにあの女の子だとわかった。早いものです、、、。(2021年夏詠)

田蛙に皆既月食ゆくりなし

昨年の5月26日は皆既月食だったようです。田蛙は春の季語ですが、この辺りで田水が入り田植が始まるのは五月の下旬、すなわち田蛙の合唱が聞こえるようになるのは今頃からなのです。蛙たちに皆既月食はどう映ったか、、、。(2021年夏詠)

青梅や見れば空家の佇まい

通りに面した小さな庭の梅の木、見上げると葉と同じ色の青梅が沢山生っています。ふと昔を思い出して、覗くつもりは無いのですが庭の奥の縁側を見ると、どうやら空家のよう。昔は、梅の木の角を曲がったところがその家の表で、小さな田舎の雑貨屋さんになっていました。子供むけの駄菓子やおもちゃ、日用品があって、お婆さんが店番をされていました。角を曲がってみましたが、やはりもうお店はありませんでした、、、。(2021年夏詠)

水神の祠傾く夏の井戸

近くの神社にある古井戸。由緒のある井戸らしく古びた説明書きの看板が立ち、近づけないように柵がめぐらされている。だから覗いて見た事は無いが、形から深い井戸ではなさそうで、地表近くまで水がある雰囲気。傍の平べったい大きな石の上に、これも古びた小さな石の祠、石が傾いているから祠も傾いている。静か、、、。(2021年夏詠)