亀涼し首だけ出して水の中

亀は甲羅干しをするものと思っていたら、石に足をかけて首だけが水の上、甲羅は水の中に浸かっている。まあこれだけ暑ければ、石の上では甲羅の中で蒸し焼きにならないとも限らない。脱ぐわけにもいかず、、、。(2021年夏詠)

水滴を置く水指の涼しさよ

テーブルの中央に置かれたガラス製の水指、植物らしい模様越しにたっぷりと氷を浮かべた水面が見える。その水量を表すように、水面より下の表面には水滴が付いている。見ている間に水滴は成長し、次の水滴を伝うようにして線になって流れた、、、。(2020年夏詠)

涼しさをもらふ町屋の夢二展

冷房の効いた部屋での展示会は夏場の吟行の恰好の逃場になる。なんて言うと受付の方に叱られそうですが、「〇〇展」の文字を見るとつい入ってしまいます。入ってはみたけれど、という〇〇展もありますが、掲句の〇〇展は大当たり。竹久夢二の絵に心まで涼しく、、、。(2017年夏詠)

朝涼し会釈に笑顔添へられて

さすがに日の出る前の朝は涼しい。ついつい足早、となれば良いのですが最近は老犬の歩調に合わせてゆっくり歩いてやります。何人かの人に遇い挨拶をかわしてゆっくり歩いていると、オイオイもう太陽が出て来たよ、、、。(2017年夏詠)