送電線霞の山に紛れけり

霞とも黄砂とも思えるような山の霞みぐあい。送電線は北の山から下りてきて平地を走り南に山へ上っていく。南の山は近いから頂上の鉄塔まで見えるが、遠い北の山のほうは鉄塔も送電線も途中から霞の中、、、。(2024年春詠)

梅二本あれば梅園匂ひけり

梅園の看板があるので車を止めてみたが近くに見える梅の木は二本だけ、それでも梅の馥郁たる香りが満ちているから少し入ればもっと多くの梅の木があるのかも知れない、と思っただけでまた車を走らせた、、、。(2024年春詠)

梅老いし花の少なし匂濃し

父が子供の頃にすでにあったという梅の古木。さすがに弱っているが毎年花を付けてくれる。何とかしてやりたいと二年ほど前から肥を入れたり剪定をしたりしている。今年はどうかなと先日帰ってみると、この冬の例年にない天候不順のせいで、まだ蕾だった。しかし蕾の数は昨年よりも多そうに見えた。「よしよし、明日手入れをしてやろう」と思っていたら翌日は雨で、結局何もせずにそのままで帰ってしまった。このところの気候で、もうそろそろ咲いている頃だろうと思うが、、、。(2024年春詠)

川豊か雪解の水に雨の水

今年は雪が多かった。その分雪解けの水量も多く、その増水のためにダムを緊急放流するという放送が流れました。この地に住みだしてずいぶんになりますが、雪解けによるダムの放流は初めてだったと思います、、、。(2024年春詠)