点滴の雫のごとき雪解かな

一通り雪かきをしたらもうする事は無い。暖房の部屋から窓の外を眺めている。雪晴れの真青な空が見える。日差に融け始めた雪が、詰まっているのか古びた雨どいの途中から雫となって落ちている。今はちょうど点滴程度の速度、、、。(2016年冬詠)

冬深しいつも十時の掛時計

二月です。掲句は某喫茶店の掛け時計、動いていません。飾りです。昨年吟行で児島の旧野崎家住宅へ行きましたが、こちらの古い台所の奥に掛かった掛け時計、動いていましたよ、正確に。野崎家住宅は細かい所まで気配りの行き届いた展示がされていて、また行ってみたいところです、、、。(2016年冬詠)

新築の家出来上がり春待てる

他所の事ながら新しい家が建つのは興味津々、散歩途中の楽しみだった。出来上がったのは今風の角ばった、屋根一面がソーラーパネルの家。我が家の頃とは工程も出来上がりもずいぶん違うなあと思っていた昨年の今頃の句。一年経つと家もすっかり周囲に溶け込んで、当たり前のようにそこにあります、、、。(2016年冬詠)