時々思いつきで知らない所へ行きます。調べもしないで行くものだから、途中で進めなくなり心細くなって断念することもあります。今回はその途中、心細くなったあたりで見つけた穴場のお話です。住んでいる所だって十分に山の中ですが、県北にはもっと山奥がたくさんあります、、、。川沿いに走っていくと、川も道もどんどん細くなり、すれ違うのもままならないような渓流沿いの道になってしまいました。心細くなって車を止め、窓を開けると気持ちの良い渓流の冷気が入り、いっしょに懐かしい河鹿蛙の声が聴こえてきました。子どもの頃には毎日耳にしていた声ですが、今では実家に帰っても耳にすることがありません。それが、ここには個体数も多いようで、何匹もの声がせせらぎの音と重なり、子どもの頃の田舎に帰ったようでした。車を降りてしばらくその声を楽しみましたが、その間車は一台も通りませんでした、、、。後日ネットで調べても出てこないので、やっぱり穴場と言えるでしょうね、、、。(2012年夏詠)
鮎が泳ぎメダカが泳ぎ蛍が舞った故郷の川ですが、河鹿は見た事が無かった様に思います。
今住んでいる近くの太田川では、かわせみらしき鳥を見かけました。
いいえ、成羽川でも河鹿は鳴いていましたよ。
夕暮の瀬音と流れに腰まで浸かった鮎釣の姿と一緒に河鹿の声も記憶に残っています。
成羽川の鮎と言えば、飴山實の句集「次の花」に次のような一節を見つけました。
一夜、匹見・成羽・錦三川の鮎をめづる席あり。流域蔵元たちの持参にて、丁卯文月、錦帯橋畔開花亭。かの魯山人にも一夜三川の興などあるべうもなけんに 即ち/はじめから川の自慢や鮎合せ/その川の主の顔して涼しけれ/川自慢それから鮎と酒のこと/話さへかぐはしくなる鮎合せ/淡麗といふべき鮎は匹見から/妖艶のうるかは成羽川の鮎/さて錦川は/藻の香してすなはち鮎をたうべけり
掲出句、いいですね。
>その川の主の顔して涼しけれ 川自慢もここまでくれば可笑しいですね。連れ合いは錦帯橋のそばに住んでいました。