「室戸」その9 前述の虚子の句碑から遠くないところに空海が修行をしたという御厨人窟(みくろど)という洞窟があります。ちょうど車から降りた時に、その洞窟の闇の中から鴉が一羽飛び出して来ました。たぶんお供えでも頂きに来るのでしょう。しばらくは洞窟の上の崖に張り出した松の木の枝に留まってこちらを伺っていましたが、何も持っていそうに無いと思ったのか、何回か鳴いて飛び去って行きました。本当に修行をしたのかどうかは分かりませんが、それほど深くは無いその洞窟に座ると、ちょうど荒れた海と冬の空との接点が見えるのでした。と言うか、空と海しか見えないのです、、、。(2011年冬詠)
空海、なんとも簡単な名前ながら大きな名前です。
修業した洞窟から見えた景色から名付けたのでしょうね。
白鳥は哀しからずや空の青海のあをにもそまずただようふ を思い出しました。