青年の一人弓引く青葉冷

近くに作楽神社(さくらじんじゃ)がある。神社は明治時代に創建されたものだが、古くは児島高徳の故事で知られる院庄館跡である。時々思い立って出かける私の吟行地でもある。その神社の社務所の裏手に弓道場と言うにはお粗末な、広場の端に土塁を築いただけの弓の練習場がある。休日の早朝、境内を歩いていると、矢を放つ時の小気味良い音が聞こえてきた。見ると、一人の青年が袴姿で黙々と弓を引いている姿があった。他に人の姿は無く、たった一人で姿勢を正して弓を引くその姿は、矢の放たれる音と相まって、見ているだけで身が引締るように感じられる光景だった、、、。(2012年夏詠)

「青年の一人弓引く青葉冷」への4件のフィードバック

  1. 青年が一人というのがいいですね。句のほうもそこを強調するともっとよくなる気がします。

    1. と、いうことで「青年の弓引いて射る青葉冷」を「青年の一人弓引く青葉冷」に差し換えました。
      青年の動作が印象的で「引いて射る」としたのですが、動詞は一つのほうが締まりますね。
      ありがとうございました。

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