いつもの出張コース。吹田で中国道を降りて近畿道をしばらく走った辺りだったと思う。少し離れた大きなビルの窓を拭いている吊るされた男の姿が見えた。ビルの窓には空が映り、峰雲が育ちつつあった。(2003年夏詠)
カテゴリー: 2003
うたたねの父のおとろへ春時雨
今日3月18日は父の命日。年末に入院、肺炎ということなのに一向に良くならない、おかしいなと思っているうちに病院から呼び出し、肺癌で余命一ヶ月と告げられた。掲句はその一ヶ月目ぐらいの頃の句。まだ差し迫った感じはなかったが、痛み止めの薬のせいか無防備に眠る父を見るのは辛かった。病室の明るい窓を春時雨が打っていた。(2003年春詠)