黒犬の背に留まりて雪となる

夕刻の散歩で久しぶりに出会った人、会えば犬に声をかけてくれる。「やあ、だいぶ歳を取ったなあ」と尾を振る犬を撫でて、「がんばれよ!」と言い残して去って行った。半年ほど前になるだろうか、人づてにその人が重い病気で岡山の病院に入院されていると聞いていたので、正直出会って驚いたのだが、犬にかけた「がんばれよ!」の一言が、私にはご自分に対する覚悟の言葉のように聞えて、しばらくその後姿を見送った。「がんばってくださいよ!」、、、。(2013年冬詠)