廃屋の裏を覗けば烏瓜

ここに引っ越した時にはもう住む人が居なかった近所の家、立派な農家の建物で、時々は戻って来られるらしく人の姿を見る事もあった。それからもう三十年、新築だった我が家も古びてしまったが、この近所の家はとうとう今年崩れてしまった。掲句は昨年、表よりももっと傷んだ家の裏で唯一華やいだ色を見せていたのが烏瓜の赤だった、、、。(2015年秋詠)