寒狐人家うかがひつつ行きぬ

吉井川の土手と旧出雲街道沿いの集落の間には田圃が広がっている。その田圃の中を集落と並行して新しい道が一本走っている。散歩コースの土手からは集落とこの道を、遠くに見下ろすような位置関係になる。まだ夜明の暗さが残るこの田圃の中の道を、一目でそれと分かる狐が一匹歩いていた。狐は人の動き始めた人家の方が気になるのだろう、時々立ち止まってはそちらを窺い、こそこそと歩き始めるのだった。反対側の土手に人が居るなんて思わなかったのだろう、土手を散歩する私から見るとその姿は、まるで無防備に見えた。(2010年冬詠)

「寒狐人家うかがひつつ行きぬ」への2件のフィードバック

  1. 狐が見られるとは珍しいですね。そちらでは珍しくないのかな?
    松山に住んでいた時、裏山に雉が居ました。羽の色がとてもきれいでした。

    1. 日常的に見られる動物ではありませんが、なにしろこの地に来て最初の寄り合いで聞いたのが、「近所の神社でどこそこの娘がだまされた」という話でした。昔のことです、、、。
      雉はハンターが減ったのか、少し増えてきたように感じます。
      雄はきれいですね!

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