すす逃の床屋の椅子に沈没す

もう四十年近く同じ理髪店に通っている。通っていると言っても、そろそろと思い出してから腰を上げるまでに一ヶ月ぐらいかかるから、せいぜい年に四、五回ぐらいだろうか。「ずいぶん伸びましたねえ」「どれくらいになるかなあ」「三ヶ月、越えましたよ」と皮肉たっぷりに三ヶ月を強調して言われる。会話と言えばそれぐらいで、後は黙って至福の時間に浸れるのがこの理髪店の好いところで、多少高額だが迷わず通っている、、、。そんなだから11月ぐらいから、「来年も来てくださいね」「よいお年を」と挨拶を交わして帰ることになる、、、。(2011年冬詠)

「すす逃の床屋の椅子に沈没す」への2件のフィードバック

  1. すす逃も新語です。
    昔は4000円位する散髪屋に通っていたけど最近はもっぱら1000円です。
    あっという間に終わるので眠る暇もないけど、逆にめんどくさく無くて通っています。
    若い頃も一度行ったけど、当時は髪が多く、太く、硬かったのでさすがに仕上がりの悪さが目立って二度と行かなかったけど、最近は髪も細くなり柔らかくなったせいか仕上がりも気になりません。

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