絵に描いた形のままに守宮死す

工場にはいろいろな生物が住み着いていた。大きいものでは鼬、鷺、ヌートリアも見たことがある。青大将、鳩、鴉、鶺鴒、雀、雲雀、蝙蝠、鼠。小さいものに団子虫、そして守宮がいる。守宮は多くはないし、どちらかというと隅っこのほうが好きなようで、目立つ存在ではなかった。ある日倉庫の隅の段ボール箱をどかすと、隣り合っていた段ボール箱に張付くようにして干からびた守宮の死骸が出てきた。いきなり段ボール箱に命を奪われたのだろう、まるで何かの絵に出てくるような身体を少し曲げ、四肢を踏ん張ったままの姿だった、、、。(2009年夏詠)

「絵に描いた形のままに守宮死す」への2件のフィードバック

  1. 守宮っていもりなんですね。
    死んでいたのはやもりでなくいもりですか?
    母の実家の久世の家の裏には谷川が有って、お腹が真っ赤ないもりが住んでいました。
    小さな小さな谷川だったけれど姫新線の小さな鉄橋が掛かっていました。
    その鉄橋を見ると次郎物語のワンシーンを想像するのでした。

    1. 残念でした。「ヤモリ」です。「イモリ」は「井守」と書きます。
      住むところは違いますが形はそっくりですね。
      久世も裏通りに行くと古い町並があって良い町ですね。

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