道具屋の主も古しうららけし

岡山駅前の大通りに面した骨董屋さん(名前は忘れました)、ちょいと覗くと奥のほうに備中神楽の面が見える。吸い込まれるように入っていくと、ところ狭しと飾られた骨董品の間から、これまた同じくらいに古びた主のにこやかな顔が、待ってましたとばかりに出てくる。「お面ですか?」「え、ええ、まあ、、、」「こっちにも良いのがありますよ」「いえ、見るだけですから」「かまいません、いくらでも見てください」そんなふうに言われてもと、そうそうに店を後にしたが、それにしてもあの主の笑顔は骨董屋らしくてよかった。それから二回ほど寄ってみた、、、。(2013年春詠)

「道具屋の主も古しうららけし」への4件のフィードバック

  1. 松山城に登った帰り道にロープウェイ街で見かけた骨董屋さんに干支の辰が描かれたお猪口が飾ってあった。
    興味が有ったけれど値段表が無く、どうもお店に入って行く勇気が湧かなかった。
    世に骨董好きが多いのか、それとも儲けがいいのか分からないけれどそんなに人が入っている様に無い骨董屋さんがつぶれないのは何故?

  2. ほんとうにうららかな句ですね。
    アンティーク着物の着こなしのプロ・女優の樹木希林さんが、古民芸研究家の尾久彰三さんと世界の骨董聖地に“古いものをあたためて旅をする”番組「温故希林」が好きで、よく見ます。目の不自由な希林さんが尾久さんの背広の裾をつまんで歩くところがなんとも微笑ましいのです。数百年は経っていそうな蓑が買いたくてたまらない尾久さんを「そんなばい菌買ってどうするんですか!」と、蓑から尾久さんをひきはがすシーンなんてたまりませんよ。

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