山の中で過ごした小学生の頃に送電線の工事があった。通学路の頭上を横切る形で、V字型の谷の両側の山に鉄塔が建ち、やがて送電線が張られて行った。ちょうどその工事の時だったのだろう、学校の帰りに上を見ると、その頭上数十メートルの送電線に人の姿があった。どういう形だったかまでは覚えていないが、ドキドキしながらサーカスの空中ブランコでも見るような気持ちで眺めた。それ以後何年も、そこを通る度にまた見えるかも知れないと期待したが、結局実物を見たのはその一度っきりだった。時々テレビで同じような工事の場面を目にするが、この時のようにはドキドキしない、、、。掲句、本当は鉄塔が山より高い訳はないのだが、、、。(2009年春詠)
V字型の谷、住んだ事の無い人には実感がわかないかも知れませんね。
瀬戸内海沿いに住むお客さんが出張で山の街に行った際に迫り来る山の圧迫感が耐えられず、帰り着いて海を見てほっとしたとおっしゃっていました。
夏の花火大会で花火が山を照らし、谷間で響く音はお腹にまで伝わってくる、V字型の地形ならではの花火大会も大好きでした。
あの腹に響く音は好きです。
他のところには無いですね。